今回は上智大学文学研究科新聞学専攻修士2年在籍中の趙君奕さんに登場いただきました。バイタリティと行動力、それに強い求心力を合わせ持つ趙さんの紹介です。
趙君奕さんは、中国山東省の出身、上海での大学生活終えてフジ国際語学院に2009年4月に入学2011年3月に卒業後、上智大学大学院に入学しました。フジでのクラスは勉強熱心で個性的な女子が多く、進学先は東大、一ツ橋、筑波、横国、早稲田、慶応、明治、上智等優秀な学生が勢ぞろいしていました。にぎやかで一見わがままとも見える彼女たちをまとめていたのが趙さん。趙さんは友達が合格すると必ずお祝いパーティを計画しました。私も参加したことがありますが、趙さんは、自分の合格発表もまだなのに積極的に友達を祝ってくれました。料理上手な趙さんの自慢の料理が振舞われることもありました。彼女の料理の腕はプロ級で、その腕がアルバイト先の居酒屋でも重宝され、バイトのシフトに入るように頼まれ、帰国できなかったこともあったそうです。
入学した上智大学大学院の新聞学専攻はレベルの高いことで知られていますが、人数が少ないことも一つの特徴で、ゼミには修士が1人いるかいないかの状態だとか。上智の新聞学は理論型ですが、ここ数年現場経験が豊富な先生も加わって、東大、早稲田、日大の先生も授業を担当し、徐々に実践の要素が取り入れられ始めたということです。
修士1年は思い出したくないほどつらい地獄の日々だったといいます。ゼミの発表は毎週あり、運が悪ければ授業の発表と重なって、徹夜が続くことも珍しくなかったそうです。特に先生たちが発表の内容より学生の着眼点や考え方に注目していたことが、「ストレス半端ない」という言葉で表していました。
趙さんはそんな多忙な中、去年9月からJTBの海外向け関連会社でアルバイトを始め、団体顧客の旅程設定や見積もり、レストラン、ホテル手配などをこなし、仕事を通してビジネス文化、マナーなどを学び、驚くほど勉強になったといいます。多くの経験から気付いたことは、目標に向かって決して急がないことだったといいます。やりたいことがあって、そこへ急ぎたい気持ちはわかるが、最終目的に行くには必ず時間かかる。慌ててないで、ゆっくり、いろいろな経験を積みながら行くのがいい。その途中で積んだ経験に無駄なものはない、いつか必ず役に立つというのです。
以下、趙君奕さんの言葉です。
「日本での5年間、特にフジでできた友たちと、いろいろ思い出を作りました。一緒に食事したり、パーティーをやったり、旅行したり、悩みがあったら話したりとか、嬉しいことがたくさんありました。もちろん辛い、嫌な思い出もありましたけど、友だちがいてくれたので、そんなこと思い出せないです。日本でできた友だちと、結婚しても(するかどうかわからないけど)、10年経ってもずっとこのままの状態でいたいです。
私には反省することはあっても後悔することはありません。人生の一つ一つの選択は自分で選択したものですから。反省することはたくさんあります。でも人生なんて反省しながら進むものです。
日中世論調査によると、現在相手国への高感度は1割未満で史上最低ということです。その原因はもちろん教育やメディアの問題などがあります。こういう時こそ自分がどう考えるかにかかわらず、とりあえず相手国へ行くことが大切だと思います。そこへ行ってみて、本当の交流ができれば、やがて両国にとってプラスになると思います。私はずっと中日両国の文化交流について興味があり、私は私の方法で努力したいと思っています。番組輸入輸出、舞台やコンサート開催、さらに旅行の企画など、いろいろ考えています。是非実現できればいいなと思います。」
趙さんは、大学院卒業後は帰国して早くご両親を安心させたい、そして、せっかく日本に5年もいたので、その多くの経験を生かして、日本と関係ある仕事をしたいと話してくれました。
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